水・有機溶媒両用SEC用カラムAsahipak GF-310 HQを用いて溶離液中のメタノール/水の組成を変えてPEG(MW: 20000、4000、1000、400)およびエチレングリコール(EG)の混合物を測定し、クロマトグラムの比較を行いました(Fig.1)。水100 %の溶離液を使用した場合、PEG(MW: 4000、1000、400)はメタノール/水の溶離液を使用したクロマトグラムより溶出が遅れていることが分ります。これは GF-310 HQの充てん剤の疎水性に関係しています。GF-310 HQ充てん剤は酢酸ビニル基を含む疎水性部分と水酸基を含む 親水性部分とから構成されています。溶離液に水のみを使用すると充てん剤の極性と水の極性はFig.2のような関係になります。このような条件ではPEGの疎水性部分と充てん剤の疎水性部分が疎水性相互作用を起こし逆相モードが働き疎水性の高い試料ほど溶出が遅れます。PEG(MW: 20000)は充てん剤の穴に入ることが出来ない分子サイズのため、充てん剤の穴から排除され充てん剤との接触面積が小さいため疎水性相互作用は働かずあまり保持されません。次に溶離液にメタノールを加えていくと溶離液の極性が充てん剤の極性と近くなります。この場合PEGと充てん剤の疎水性相互作用が抑えられSEC的に分離されます。更にメタノールの量を増し溶離液をメタノール100 %にすると充てん剤と溶離液の極性が逆転し順相モードが働くため試料の極性部分と充てん剤の極性部(水酸基)との間に相互作用が働き極性の高い試料ほど溶出が遅れます。溶離液にTHFを使用すると更に順相モードが強く働きPEG混合物の溶出が遅れます。
参照:GS-320 HQカラムによるPEG混合物の溶離液組成による溶出挙動
Sample : 0.1 % each, 100 μL
1. Poly(ethylene glycol) (MW: 20,000)
2. Poly(ethylene glycol) (MW: 4,000)
3. Poly(ethylene glycol) (MW: 1,000)
4. Poly(ethylene glycol) (MW: 400)
5. Ethylene glycol
Column : Shodex Asahipak GF-310 HQ (7.5 mm I.D. x 300 mm) Detector : RI Column temp. : 30 ℃
試料名インデックス
製品名インデックス
アプリケーションデータ
- 標準プルラン (1) (SB-804 HQ)
- 標準プルラン (2) (GF-310 HQ)
- 標準プルラン (4) (流量の影響) (SB-2002.5)
- 標準プルラン (5) (温度の影響) (SB-2002.5)
- 標準プルラン (7) (GS-220 HQ)
- 標準プルラン (9) (GF-7M HQ)
- 標準ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(エチレングリコール) (1) (SB-804 HQ)
- デキストラン (1) (SB-805 HQ)
- デキストラン (2) (DMSO溶媒) (KF-806M)
- デキストラン (3) (SB-806M HQ)
- ポリアクリルアミド (1) (SB-805 HQ)
- ポリアクリルアミド (3) (SB-807 HQとSB-806 HQの比較)
- ポリ(ビニルアルコール) (2) (水溶媒) (SB-806 HQ + SB-803 HQ)
- ポリアクリル酸ナトリウム (1) (SB-803 HQ + SB-802 HQ)
- ポリアクリル酸ナトリウム分析における溶離液条件の検討 (GF-7M HQ)
- ポリビニルピロリドン (3) (NaCl aq./CH3CN溶媒) (SB-806M HQ)
- ポリビニルピロリドン (6) (NaCl aq./CH3CN溶媒) (SB-806M HQ)
- ポリスチレンスルホン酸ナトリウム (1) (GF-510 HQ)
- ポリスチレンスルホン酸ナトリウム (2) (GF-7M HQ)
- カラムの選択 (1) (ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)
- カラムの選択 (2) (ポリアクリル酸ナトリウム)
- カラムの選択 (3) (ポリメタクリル酸ナトリウム)
- 標準ポリ(エチレングリコール) (6) (DE-613)
- 標準ポリ(エチレングリコール) (7) (SB-2002.5)
- 標準ポリ(エチレングリコール) (8) (SB-802.5 HQ)
- デキストラン硫酸ナトリウム (SB-806M HQ)
- 標準ポリ(エチレングリコール) (9) (GS-220 HQ)
- PEG溶出時間のカラム温度の影響 (GF-310 HQ、GS-320 HQ)
- PEG混合物のクロマトグラムの比較
- GF-310 HQカラムの塩濃度の影響
- GS-320 HQカラムによるPEG混合物の溶離液組成による溶出挙動
- コロミン酸 (SB-804 HQ)
- ラテックス粒子のSEC分析 (KW405-4F)
- ポリメタクリル酸ナトリウム (GF-7M HQ)
アプリケーションデータ(関連情報)
- イオン性基を有する親水性ポリマーの分析
- SB-800 HQシリーズの較正曲線 (水溶媒: プルラン)
- SB-800 HQシリーズの較正曲線 (水溶媒: PEG、PEO)
- SB-806M HQの較正曲線 (水溶媒: プルランとPEG、PEO)
- SB-807 HQの較正曲線 (水溶媒: プルラン)
- LB-800シリーズの較正曲線 (水溶媒: プルラン)
- GF-HQシリーズの較正曲線 (水溶媒: プルラン)
- GF-HQシリーズの較正曲線 (水溶媒: PEG、PEO)
- GS-HQシリーズの較正曲線 (水溶媒: プルラン)
- GS-HQシリーズの較正曲線 (水溶媒: PEG、PEO)
- 親水性ポリマーの較正曲線 (1) (ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)
- 親水性ポリマーの較正曲線 (2) (ポリアクリル酸ナトリウム)
- 親水性ポリマーの較正曲線 (3) (ポリメタクリル酸ナトリウム)