イオン性基を有する親水性ポリマーの分析

サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)とは左下の図に示すように溶離液中でのポリマー分子の広がり具合い(三次元空間を占める体積)が大きいものほど早く溶出されるという原理を利用した分析法です。イオン性ポリマーの場合は注意が必要です。ポリマー分子内のイオン性基同士が反発し合い、分子の広がりが大きくなることがあるからです。イオン性基を持つ分子はイオン性基の反発が起きるために分子が広がり体積が大きくなります(右下の図)。このようなイオン性相互作用を抑制に溶離液への塩(NaNO3,NaClなど)の添加が効果的であることが知られています。わずかなイオン性基の存在がパターンのゆがみや測定値のバラツキの原因となることが多いためイオン性基が存在しないと思われる親水性ポリマーの場合でも溶離液に塩を添加することをお勧めします。


(左) SECの原理
(右) 分子の広がり

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