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カラム取扱上の一般的注意事項

目 次 :

1. カラム各部の名称
2. カラムの取り付け
3. 試料の調製
4. 溶離液の調製
5. カラムの洗浄
6. カラムの保管
7. カラムの検定方法
8. カラムの廃棄方法
9. その他の注意事項

 

1. カラム各部の名称

 

2. カラム取り付け
(1) カラムを装置に接続する前に装置の流路を十分に洗浄し、使用する溶離液で完全に置換してください。また、バルブを切り替えてインジェクタ流路(サンプルループ)も洗浄し、置換してください。混和性または溶解性が低い溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから使用する溶媒に置換してください。
(例1)クロロホルムから水に置換する時は、メタノールを通液してから水に置換してください。
(例2)高濃度の緩衝液(または塩の水溶液)から水/アセトニトリルに置換する時は、水を通液してから水/アセトニトリルに置換してください。
 

注意 カラムに使用できない溶媒が流路に残っているとカラムを劣化させるおそれがあります。
注意 溶離液の組成が大きく変わると、ポンプや配管に吸着していた汚れが剥がれ、カラムを劣化させるおそれがあります。
(2) カラムのラベルシールを確認し、Flow方向(➡)へ溶離液が流れるようにカラムを装置に接続してください。ガードカラムを使用する場合は、ガードカラム、分析カラムの順に接続します。
(3) 配管とカラムのエンドフィッティングの間に空隙ができないように、配管をエンドフィッティングの奥に押し当てながらオシネジで固定してください。空隙があると試料が拡散し、ピークの広がりの原因となります。
(4) 流量を常用流量の半分以下に設定し、通液を開始してください。カラムを加温して使用する場合は、設定温度になるまでは低流量のまま通液し、設定温度に達してから段階的に設定流量まで上げてください。
 
警告 溶媒の液漏れがないか確認してください。漏電や腐食、薬傷の原因となります。
注意 カラムを装置に接続する時は、カラム内に気泡が入らないようにしてください。カラムを劣化させるおそれがあります。
注意 カラム接続時、または通液を停止している状態から通液を開始する時は、常用流量の半分以下の流量で通液してください。急激な圧力上昇はカラムを劣化させるおそれがあります。
注意 カラムを加温して使用した後は、流量を常用流量の半分以下に下げて通液を続け、カラム温度を室温に戻してからポンプの通液を止めてください。溶離液の温度が下がる時に収縮が起こり、カラム内で空隙が発生し、カラムを劣化させるおそれがあります。

3. 試料の調製
(1) 試料の溶解および希釈には、できるだけ溶離液を用いてください。溶離液で溶解しにくい場合は、可能な限り溶離液組成に近づけるようにしてください。グラジエント溶出する場合は、初期溶離液を用いて試料調製することをお勧めします。
(2) 粒子状物質(不溶性物質)の目詰まりによるカラムの劣化もしくは性能の低下を防ぐため、試料はあらかじめメンブランフィルタ(0.45 μm)などでろ過してください。
(3) 分析カラム保護のため、ガードカラムの使用をお勧めします。
 

参考 ガードカラムは分析カラムの性能を長く保つものであり分離能の向上を目的としたものではありません。

4. 溶離液の調製
(1) 気泡の発生を防ぐため、溶離液は十分に脱気してください。
(2) 微細なゴミや不溶物が混在すると、カラムの性能低下やクロマトグラムのノイズの原因となりますので、メンブランフィルタ(0.45 μm)で溶離液をろ過してください。
(3) カラムに封入されている溶媒の組成を確認し、混和性または溶解性が低い溶媒に置換する場合は、双方の溶媒と混和性または溶解性のある溶媒組成に置換してから、使用する溶媒に置換してください。
(4) 溶離液を置換する時は、常用流量の半分以下の流量で通液してください。
(5) グラジエント溶出を行う場合は、溶離液の組成変化に伴い、グラジエント溶出中にカラム圧力が使用可能最大圧力を超えることがあります。使用可能最大圧力を超えないように流量やカラム温度を調整してください。
 

注意 水は、超純水製造装置で用時調製した水や開封直後のHPLCグレードの蒸留水を使用してください。また、有機溶媒は、HPLCグレード以上の試薬を使用してください。有機溶媒も開封後、長時間経過 したものは使用しないでください。変性や吸湿、汚染などが起きている可能性があります。
注意 長期間保存した溶離液は、使用しないでください。組成の変化などにより、溶出挙動の変化やカラムの 劣化につながるおそれがあります。
注意 塩化ナトリウムなど腐食性の高い塩を使用する場合は、分析終了後、装置やカラムに塩が残らないように洗い流してください。装置やカラムの金属部分が錆びるおそれがあります。
参考 オンラインで脱気が可能なデガッサの使用をお勧めします。
参考 使用可能最大圧力を超える使用を避けるため、ポンプのリミッタを設定することをお勧めします。

5. カラムの洗浄
流路系や試料中の不溶性物質または吸着性物質がカラム内に蓄積することで、溶出挙動や圧力の変化が生じることがあります。このような場合は、カラムを洗浄することで改善できる可能性があります。ガードカラムを使用している場合は、最初にガードカラムを外して再測定してください。これで改善する場合は、ガードカラムに原因がある可能性が高いため、ガードカラムを洗浄してください。
ガードカラムを外しても改善が見られない場合は、ガードカラムと分析カラムの両方を洗浄してください。なお、ガードカラムと分析カラムは連結せずに個別に洗浄してください。カラム洗浄時は、検出器は接続せず、洗浄液はカラム出口から直接廃液容器で受け取るようにしてください。

(1) 不溶性物質がカラムの入口に目詰まりした場合は、カラムを逆向きにつなぎ替え、溶離液を常用流量の半分以下の流量で通液することにより取り除けることがあります。
(2) その他の洗浄方法は各製品の取扱説明書を確認してください。
 

6. カラムの保存
出荷時封入液に置換した後、装置から外して両端を付属の栓で密栓し、温度変化の少ないところ(冷暗所)で保存してください。
 

注意 カラム内は絶対に乾燥させないでください。カラムを劣化させるおそれがあります。

7. カラムの検定方法
検定条件は、本製品に同梱の検査成績書(Certificate of Analysis)に記載されています。理論段数(N)および非対称係数(Fas)の計算方法は以下の通りです。
 


 

8. カラムの廃棄方法
通常の実験で使用したカラムは、産業廃棄物として各地方自治体が定める廃棄物の適正処理に従って廃棄処理を行ってください。特に爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係わる被害を生じるおそれがある性状を有するものを扱った場合は、特別管理産業廃棄物としてそれぞれ許可を受けた専門業者にご相談ください。
 

9. その他の注意事項
(1) カラムのエンドフィッティングは、絶対に外さないでください。
(2) カラムには、叩く、落とすなどの強い衝撃を与えないでください。
 

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