先輩たいへんで~す。このカラムこわれてますよ~。
やれやれ、またShinoチャンの“たいへんで~す”が始まったみたいだね!どれどれ、その前にトラブルに関する質問のときの3つのポイントを覚えているかい?
はい。
- (1)クロマトグラムを添えること。
- (2)測定条件を明確にすること。
- (3)トラブル状況を簡潔に説明することで~す。
よろしい。それで?
分配モードのRSpak DC-613のカラムを使って糖の分析をしようとしたんです。初めに標準試料を入れたんですけど、分離が悪いんです。カラムに付いてきたクロマトではシャープな分離をしているのに……。新品カラムなのに。
(図1を見て)なるほど確かに分離が悪いね~。Shinoチャン糖を純水に溶かして注入したでしょう。
だめですか~?
ためしに、溶離液 (CH3CN/H2O=80/20)に糖を溶かしてごらん。それと純水に糖を溶かした後、純水と同量のCH3CNを加えて試料調製をしてみてくれるかな。
溶離液 (CH3CN/H2O=80/20)には加温してもなかなか溶けません。もうひとつ (CH3CN/H2O=50/50)には溶けました。
溶けた方の糖液を使って、もう一度、測定してみてはどうかな…。
こんなに分離の良いクロマトがとれました(図2)。どうしてですか~?
さっきの実験でわかったと思うけど、CH3CNが多く含まれる溶離液に糖は溶け難いよね!そんな溶離液中に純水に溶けた高濃度の糖を注入すると瞬間的に糖が析出し、その後少しずつ溶けていくようなことが考えられるよね!
それでサンプルがカラムの中で拡散して分離が悪くなるんですね。
その通り!分配モード以外のクロマト測定でも同じだけど、試料は注入するとき流れている溶離液に溶かすのが鉄則だよ。溶け難いような場合は、今度のように少し頭を使うのがポイントだね!
先輩に聞くと何でもわかっちゃうんですね。ありがとうございました。