抗体医薬品中ポリソルベート80の分析 (ODP2 HP-4D)

抗体医薬品にはIgGの凝集や吸着の防止を目的として少量の界面活性剤が添加される場合があり、品質管理の上で界面活性剤の濃度管理は重要です。ここでは、ポリマー系逆相クロマトグラフィ用カラムODP2 HP-4Dを用いて市販抗体医薬品中のポリソルベート80(製品名としてTween 80など)を前処理せずに蒸発光散乱(ELS)検出で測定しました。アルカリ性条件下ではIgGはカラムに保持されずホールドアップボリュームにまとめて溶出し、ポリソルベート80は逆相モードによりカラムに保持されます。このため、ポリソルベート80はIgGと完全に分離され、前処理(除タンパク)なしで分析が可能となります。4.3 ~ 5.5分のピーク面積値から検量線を作成したところ(両対数プロット)、10 ~ 100 μg/mLの範囲で高い直線性が得られました。50 μg/mLの添加回収率は93 %と良好であることも確認されました。本手法では抗体医薬品を希釈のみでHPLCに供することにより、ポリソルベート80を迅速かつ効率的に分析することが可能です。

Sample: 50 µL
Commercial antibody-drug formulation
14-fold dilution with H2O

Column
Shodex ODP2 HP-4D (4.6 mm I.D. x 150 mm)
Eluent
(A); 0.1 % NH3 aq./(B); CH3CN
Low pressure linear gradient; (B %) 20 % to 80 % (0 to 5 min), 80 % (5 to 6 min), 80 to 20 % (6 to 6.01 min), 20 % (6.01 to 10 min)
Flow rate
1.0 mL/min
Detector
ELSD
Column temp.
40 ℃

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