炭酸イオンはほとんどすべての水試料に含まれておりイオンバランスに関して重要な役割を成しております。従って通常の7種陰イオン(F-,Cl-, NO2-,Br-, NO3-,HPO42-, SO42-)と炭酸イオンを同時に分析することはイオンクロマトグラフィーにおいて重要な課題と言えます。従来はNaOH溶離液を用いるサプレッサ法やアクリレート充てん剤の陰イオンカラムを用いるノンサプレッサ法などにより分析されてきましたが、ピークの形態、ピークの分離、検出感度などの点で必ずしも満足できるものでありませんでした。本分析法はIC SI-90 4E を用い5 mM p-ヒドロキシ安息香酸(pH8.2)を溶離液とするノンサプレッサ法で炭酸イオンと7種陰イオンを高感度にベースライン分離できます。
※試料の前処理:
Na+型の陽イオン交換樹脂を充てんした前処理カートリッジにメタノール、水をそれぞれ3 mL通液してコンディショニングした後、試料を3 mL通液し、最初の1 mLを廃棄した後に残りの2 mLを採取しHPLC用溶液とした。
Sample : 100 μL each
Anion standards solution
1. F- 2 mg/L
2. HCO3- 20 mg/L
3. Cl- 3 mg/L
4. NO2- 5 mg/L
5. Br- 10 mg/L
6. NO3- 10 mg/L
7. HPO42- 15 mg/L
8. SO42- 15 mg/L
River water
Column : Shodex IC SI-90 4E (4.0 mm I.D. x 250 mm) Eluent : 5 mM p-Hydroxybenzoic acid + 5.3 mM N,N-Diethylethanolamine aq. Flow rate : 1.5 mL/min Detector : Non-suppressed conductivity Column temp. : 25 ℃