(1) ジピコリン酸溶離液による分析
陽イオン分析用カラムIC YK-421に溶離液として〔5 mM 酒石酸 + 1 mM ジピコリン酸 + 1.5 g/L ホウ酸〕を用いる方法は一般の実サンプルに多く含まれるNa+、NH4+、K+、Ca2+、Mg2+を遷移金属の妨害がなく最も迅速にかつ良好に分離するのに適しています。遷移金属イオンはMn2+を除いてVoの位置に溶出します。(Mn2+は K+の直後に溶出します。)
溶離液濃度を変更することにより分離の微調整が可能です。
■酒石酸:通常5 mMの濃度とします。
溶離液の酒石酸濃度を1 ~ 2 mM高くすると全体的にイオンの溶出が早くなります。
■ジピコリン酸:通常1 mMの濃度とします。
2価イオン、特にCa2+の溶出を速めます。
また、カラム温度を50 ℃にするとSr2+、 Ba2+が早く溶出されます。
■ホウ酸:1.5 g/L添加します。
分離には影響を与えず溶離液の保存性を改善し、2 ~ 3週間の連続使用を可能にします。
<溶離液の調製法>(5 mM 酒石酸 + 1 mM ジピコリン酸の場合 + 1.5 g/L ホウ酸) :
①L(+)酒石酸(特級)0.750 g、ジピコリン酸(特級)0.167 g及びホウ酸(特級)1.5 gを 1リットルのメスフラスコに採り、純水を加えて1リットルにします。
②超音波により溶解した後、十分に混合し、0.2 µmのメンブレンフィルタを通して溶離液とします。
(2)ジピコリン酸溶離液にクラウンエーテルの添加
溶離液にクラウンエーテルを添加することによりNa+と NH4+の分離が大幅に改善されます。
例えばNa+とNH4+の濃度比率が300対1の血清中のアンモニウムイオンがほぼベースライン分離されます。
(3)硝酸溶離液にアセトニトリルの添加
溶離液にアセトニトリルを70 %まで添加できるため従来の無機陽イオン、短鎖 アルキルアミン、エタノールアミンの分析から長鎖のアルキルアミンの分析まで分析対象が広がりました。
製品名インデックス
アプリケーションデータ
- 1価、2価陽イオン (1) (YK-421)
- 1価、2価陽イオン (2) (YK-421)
- 1価、2価陽イオン (3) (ジピコリン酸溶離液 + クラウンエーテル) (YK-421)
- 1価、2価陽イオン (4) (YK-421) (リン酸溶離液の場合)
- 1価、2価陽イオン (5) (YK-421) (リン酸溶離液 + クラウンエーテル)
- 1価、2価陽イオン (6) (YS-50とYK-421の比較)
- 1価、2価陽イオン (7) (アセトニトリルの添加) (YS-50)
- 1価、2価陽イオン (8) (エチレンジアミン添加試料) (YS-50)
- カラムのダイナミックレンジ (YK-421)
- 陽イオンの高感度検出 (YK-421)
- アセトニトリル濃度と陽イオンの保持時間 (YK-421)
- IC YS-50における溶離液濃度の影響
- IC YS-50における流量依存性
- IC YS-50における温度依存性
- IC YS-50における試料負荷量の影響
- 陽イオン分析の定量性 (YS-50)
- クラウンエーテルの添加効果 (YS-50)
- 水道水 (1) (YK-421)
- 水道水の分析 (2) (YK-421) (リン酸溶離液の場合)
- 水道水中の1価、2価陽イオン分析 (エチレンジアミン添加試料) (YS-50)
- 河川水中の1価、2価陽イオン分析 (エチレンジアミン添加試料) (YS-50)
- ミネラルウォーター (YS-50)
- 海水 (2) (YS-50)
- 赤ワイン (1) (YK-421)
- 赤ワイン (3) (YS-50)
- 血清 (YK-421)
- 長鎖アルキルアミンの分離 (YK-421)
- トリアルキルアミン (YK-421)
- テトラアルキルアンモニウムイオン (YK-421)
- テトラアルキルアンモニウムイオンの分析 (YS-50)
- アルキルアミン (2) (YK-421) (リン酸 + アセトニトリル溶離液)
- エタノールアミンとアルキルアミン (YK-421) (リン酸 + アセトニトリル溶離液)
- エタノールアミンとアルキルアミンの分析 (YS-50)
- 陽イオンとアルキルアミン (YS-50)
- メチルアミン類の分析 (YS-50)
- エチルアミン類の分析 (YS-50)
- 低級アミンの分析 (YS-50)
- PEG中の陽イオン分析 (YS-50)
- アルブミン中の陽イオン分析 (YS-50)
- USP-NFに準拠したセフェピム注射液中のN-メチルピロリジン分析 (YK-421)