ポリ(-N,N-ジメチルアミノメチルスチレン) (2) (各種溶離液条件の比較)

有機溶媒系SEC用カラムGPC KD-804 + KD-803を用いてポリ(-N,N-ジメチルアミノメチルスチレン)の分析を行いました。ポリ(-N,N-ジメチルアミノメチルスチレン)は塩基性の解離基を有するポリマーです。この塩基性ポリマーのSEC分析における溶離液組成の影響を示しました。
溶離液 a)------ごく標準的な溶離液組成ですがポリマー中のアミノ基の解離が抑えられポリマーの疎水性が上りポリマーはカラムに吸着して溶出しません。
溶離液 b)------クロロホルムを添加することにより溶離液a)に比べて極性の低い溶離液組成にしました。その結果、ポリマーの疎水吸着は大幅に改善されました。ところがポリマーの基本骨格であるポリスチレン標準サンプルを用いて較正曲線を作成したところTHF溶離液の場合に比べてポリスチレンが若干吸着する傾向を示したため溶離液b)では未だ不充分であることが分かりました。
溶離液 c)------極性の高いポリマーの溶媒としてよく知られているN-メチルビロリドン(NMP)を溶離液に採用しました。NMPにイオン性相互作用を相殺するためのLiBrとポリマーの解離を抑えるためのエチレンジアミンを添加したところポリ(-N,N-ジメチルアミノメチルスチレン)ならびにポリスチレン標準品のいずれも疎水吸着やイオン相互作用の影響がない良好なSECパターンを示しました。このようにイオン性ポリマーのSEC分析はカラムの選択だけでなく溶離液組成の設定が重要です。GPC KDシリーズはメラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリロニロリル、ポリビニルビロリドン、アミン類などのように極性溶媒 (DMF、DMAc、NMP、酢エチなど)によく溶ける極性物質の分析に適しています。


Sample: Poly(-N,N-dimethylaminomethyl styrene)

Columns      : Shodex GPC KD-804 + KD-803 (8.0 mm I.D. x 300 mm each)
Eluent       : a) 5 mM LiBr in DMF
               b) 5 mM LiBr in DMF/CHCl3=50/50
               c) (5 mM LiBr + 50mM Ethylenediamine) in NMP
Flow rate    : 1.0 mL/min
Detector     : RI
Column temp. : Room temp.

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