水溶性高分子のSEC測定では分子量の標準品としてPullulanやPoly(ethylene oxide)(PEO)などが一般的に使用されています。Pullulanで作成した較正曲線とPEOで作成した較正曲線は分子構造の違いのため一致しません。しかし分子サイズ(RMS半径)で比較すると一致することを多角度光散乱検出器(MALS)を用いて確認しました。同一測定条件でPullulan 7点(MW: 14,000～1,600,000)とPEO6点(MW: 18,000～896,000)をSEC/MALS分析しました。図1,2にRI検出器によるクロマトグラムとMALSによる各サンプルの測定値(図1：分子量、図2：RMS半径)を×,＋印で示します。また、測定範囲をピーク頂点に絞って処理しました。図1は分子量と溶出容量の関係を示していますが、PullulanとPEOの分子量に対する溶出は異なっています。一方、図2はRMS半径と溶出容量の関係を示しています。両サンプルとも同一直線上に溶出されており、本分析条件ではPullulan、PEOともカラムとの相互作用を受けずにSECモードで分離していることが確認できました。(ピークNo.1～7はPullulan、No.8～13はPEOを表します)



Sample :(Black); Pullulan, (Red); Poly(ethylene oxide), PEO, 0.02 %～0.35 %, 200 μL

Columns 　  : Shodex OHpak SB-806M HQ (8.0 mm I.D. x 300 mm) x 2
Eluent      : 50 mM NaNO3 aq.
Flow rate   : 1.0 mL/min
Detector    : MALS(Multi angle ight scattering), RI