難消化性デキストリン粉末の分析 (LB-802.5)

食物繊維は、脂質異常症予防、便秘予防、肥満予防などの効能を持ちます。難消化性デキストリンは日本で1991年にスタートした特定保健用食品(トクホ)の関与成分とされています。難消化性デキストリンのような低分子水溶性食物繊維を多く含む試料の分析には、酵素-HPLC法が用いられています。トクホ制度の規格基準には難消化性デキストリンの定量法として一連の前処理を行った試料をHPLCに供し、食物繊維画分と内部標準試料であるグリセリンのピーク面積の比率を求める方法が記載されています。ここでは、市販の難消化性デキストリン粉末を前処理した後、トクホ制度の規格基準に記載されている手順を参考に水系SEC用カラム水系SEC用カラムOHpak LB-802.5を用いて難消化性デキストリンを分析しました。なお、前処理方法はトクホ制度規格基準記載と一部異なります。
※「食品表示基準」に倣い、クロマトグラム中の赤い点線の位置(マルトトリオースの溶出位置)よりも保持が弱いものを低分子水溶性食物繊と定義します。

前処理方法

  1. 1.粉末試料1 gを0.08 M リン酸緩衝液 (pH6.0) 50 mLに溶解する。
  2. 2.α-アミラーゼを0.2 mL加えた後、pH が 6.0 ± 0.5 であることを確認する。※本試料はpH6.3であることを確認した。
  3. 3.沸騰水浴中に入れ、90 ℃で30分振とうしながら反応させる。
  4. 4.冷却後、プロテアーゼ溶液とアミログルコシダーゼ溶液を0.2 mLずつ加えた後、pH が 6.0 ± 0.5 であることを確認する。※本試料はpH6.3であることを確認した。
  5. 5.60 ℃で30分振とうしながら反応させる。
  6. 6.沸騰水浴中に入れ、100 ℃で10分加熱する。
  7. 7.冷却後、水で10希釈したグリセリンを5 mL加える。
  8. 8.水で100 mLに定容し、酵素処理液とする。
  9. 9.酵素処理液 50 mLを50 mL/hで*イオン交換樹脂に通液する。
    *アンバーライト™ IRA-67 とアンバーライト™ 200CT(デュポン社製)を25 mLずつ混合
  10. 10.No.9のイオン交換樹脂に水を約150 mL通液する。(全流出液:200 mL)
  11. 11.ロータリーエバポレーターにて濃縮する。
  12. 12.水にて20 mLに定容する。
  13. 13. 0.45μm のメンブランフィルターでろ過し、HPLC試料とする。

Sample: 20 μL
Pretreated indigestible dextrin powder

  1. 1.Dietary fiber fraction
  2. 2.Glucose
  3. 3.Glycerin (Internal standard)
Chromatogram of indigestible dextrin
Column
Shodex OHpak LB-G 6B (6.0 mm I.D. x 100 mm) + LB-802.5 (8.0 mm I.D. x 300 mm) x 2
Eluent
H2O
Flow rate
0.5 mL/min
Detector
RI
Column temp.
80 ℃

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