各種オリゴ核酸のLC/UV/MSによる溶出比較 (VN-50 2D)

核酸は五炭糖とリン酸、塩基で構成されますが、RNAでは五炭糖がリボース、DNAではデオキシリボース(リボースの2位の水酸基(OH)が水素(H)に置き換わったもの)となります。核酸医薬では、通常のオリゴ核酸よりも安定性が向上するホスホロチオエート化されたオリゴ核酸がよく使われます。ここでは、ポリマー系HILICモード用カラムHILICpak VN-50 2Dを用いて合成オリゴDNA、合成ホスホロチオエート型オリゴDNA、合成オリゴRNA、合成ホスホロチオエート型オリゴRNA についてLC/UV/MS測定を行いました。HILICモードは基本的に親水性が高い試料ほど保持が強くなりますが、合成オリゴDNAは合成オリゴRNAよりも疎水性が高いため、保持が弱いことが分かります(ピーク1、3参照)。また、ホスホロチオエート型オリゴ核酸は、リン酸結合部分がすべてS化することで疎水性が高くなるため、非ホスホロチオエート型よりも保持が弱くなります(ピーク1、2およびピーク3、4参照)。
本条件はイオンペア試薬が不要で、また高濃度の塩を移動相に添加する必要もないため、オリゴ核酸のLC/MS分析に好適です。

2'-OMeおよび2'-MOE修飾型ホスホロチオエート化オリゴRNAのLC/UV/MSによる溶出比較 (VN-50 2D)



Sample : 0.1 mg/mL each (in H2O), 1 μL
1. Synthesized oligo-DNA 20mer(crude),
ATACCGATTAAGCGAAGTTT

2. Synthesized phosphorothioated oligo-DNA 20mer(crude),
A*T*A*C*C*G*A*T*T*A*A*G*C*G*A*A*G*T*T*T

3. Synthesized oligo-RNA 20mer(cartridge purified),
AUACCGAUUAAGCGAAGUUU

4. Synthesized phosphorothioated oligo-RNA 20mer(cartridge purified),
A*U*A*C*C*G*A*U*U*A*A*G*C*G*A*A*G*U*U*U

* means phosphorothioated position


Column       : Shodex HILICpak VN-50 2D (2.0 mm I.D. x 150 mm)
Eluent       : (A)50 mM HCOONH4 aq. (pH9.8)/(B) CH3CN
               Linear gradient ;
               (B %) 64 to 56 % (0 to 10 min), 56 % (10 to 20 min),
                     56 to 64 % (20 to 20.01 min), 64 % (20.01 to 25 min)
Flow rate    : 0.3 mL/min
Detector     : UV (260 nm) (small cell volume), ESI-MS (SIM Negative)
Column temp. : 40 ℃

試料名インデックス

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