次世代医薬品として期待されている核酸医薬の開発や品質管理では高感度で選択性の高い分析法が必要です。従来オリゴヌクレオチドの分析ではイオンペア逆相モードやイオン交換モードが多用されていますが、イオンペア剤が装置に残留しやすいという問題があり、イオン交換モードは溶出に高濃度の塩が必要なためMS検出には適用が難しいとされています。ここではポリマー系HILICモード用カラムHILICpak VN-50 2Dを用いて未精製オリゴDNA合成品(ATACCGATTAAGCGAAGTTT)のLC/UV/MS測定を検討しました。HILICモードを用いた本条件はイオンペア試薬が不要で、50 mMギ酸アンモニウム水溶液とアセトニトリルのグラジエント溶出により2量体から主成分である20量体まで良好なオリゴマー分離が得られました。さらにMSでの検量線の直線性が高く、高感度で選択性の高い定量も可能であることが確認できました。
Sample : 1 µL
Synthesized oligo-DNA 20 mer (ATACCGATTAAGCGAAGTTT; crude)
2.2 mg/mL (in H2O)
Column : Shodex HILICpak VN-50 2D (2.0 mm I.D. x 150 mm) Eluent : (A)50 mM HCOONH4 aq./(B) CH3CN Linear gradient ; (B %) 60 % (0 to 10 min), 60 % to 55 % (10 to 15 min), 60 % (15 to 20 min) Flow rate : 0.2 mL/min Detector : UV (260 nm) (small cell volume), ESI-MS (SIM Negative) Column temp. : 40 ℃