セツキシマブのチャージバリアント分析 (SP-FT 4A)

抗体医薬品は動物細胞を用いて生産されるため、タンパク質翻訳後の修飾などにより不均一性を生じます。バイオ医薬品の品質確保には不均一性の恒常性が保たれることが重要です。不均一性が変動すると薬剤としての機能に影響を及ぼす可能性があるため、種々の品質特性解析が必須となっています。その一つとしてチャージバリアント(電荷異性体)分析があります。モノクローナル抗体ではアスパラギン酸残基の脱アミド化やH鎖C末端リシン残基の非プロセッシングなどによりチャージバリアントが通常認められるため、そのプロファイルを厳密に管理することが重要です。ここではノンポーラスゲルを充てんした強陽イオン交換カラム IEC SP-FT 4Aを用いて、市販のセツキシマブ製剤の分析を行いました。溶離液にはNaCl濃度を上げる塩グラジエントを用いたところ、他社製弱陽イオン交換カラムよりも高分離かつ短時間でチャージバリアントを分析できることが確認されました。


Sample : 5 μL
Cetuximab formulation
5 mg/mL (in H2O)


Column       : (1) Shodex IEC SP-FT 4A (4.6 mm I.D. x 10 mm ; 2.7 μm)
               (2) Weak cation exchange column from other manufacturer 
                                       (4.0 mm I.D. x 250 mm ; 10 μm)
Eluent       : (A); 20 mM *MES buffer (pH7.0)/(B); (A) + 0.5 M NaCl
                Low pressure linear gradient ; (1) B % = 0 % to 6 % (10 min)
                                               (2) B % = 0 % to 20 % (20 min)
Flow rate    : (1) 0.5 mL/min
               (2) 1.5 mL/min 
Detector     : UV (280 nm)
Column temp. : 40 ℃
*MES : 2-(N-Morpholino) ethanesulfonic acid
(注意)溶離液組成や温度等の分析条件やご使用の装置により圧力は異なります。分析圧力(カラム圧力と装置圧力の合計)が20 MPaを超えない範囲でご使用ください。

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