| 後輩 | Shinoセンパイ、GPCとかSECって、どんなふうに使い分けたらいいんですか?
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| Shino |
THFのような極性の低い有機溶媒に溶けるポリマー分析の場合はGPCって呼ぶし、タンパク質の場合はGFCって言うわね。それに対して、最近はSECっていう言い方が流行ってきてるわ。
有機溶媒系SECとか、水系SECとか、よく耳にしない? |
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後輩 | Size Exclusion Chromatographyですね。これが一番、実態を表してる気がするなぁ。
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| Shino |
サイズ排除。文字通り、分子の大きさの順に溶出されるという訳です。ご存知のように、スポンジのようにたくさん孔の開いた丸い充てん剤がカラムに充てんされてるの(図1)。サンプル分子は、この充てん剤の孔に中に入ったり出たりして、分離されるの。
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後輩 | 孔に入れないような大きなサンプルは、早く溶出されるし、孔の奥まで浸透してゆく小さな分子は遅く溶出されるってことですね。
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| Shino |
教科書によくこんな図がでてるでしょ?(図2) 理想的には、こんな風にサンプルサイズの順に溶出されているわけ。
(図1) (図2)
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後輩 | そんなこと、あったり前みたいだけど、理想的じゃない場合もあるんですか?
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| Shino |
もちろん、サンプルの性質に合わせて適切な充てん剤と溶離液を選択した場合は、理想が実現できるわ。でも、どうやって、それを検証したらいいのかしら? これが、今回の新技術説明会でのShodexからの提案でした。さて、少しずつ、その例を見てゆきましょう。まず、図3は?
(図3)
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後輩 | ナイロンをHFIP溶離液で分析した例です。溶離液であるHFIPにトリフルオロ酢酸ナトリウムという塩を添加した場合と、無添加の場合(実線)では、全く異なるクロマトを示しています。このパターンから考えて、塩無添加の場合はサンプル分子が拡張して大きくなっていたから、実際に出るべき位置(破線)よりも早く溶出されたと、考えることが出来ます。
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| Shino | 普通、サンプル分子内にイオン性の官能基を持たないポリマーの場合は、塩の有無に拘わらず、一定のパターンが得られると言われてますよね。ところが、ここでは塩の添加が必要だったのだから、たぶんサンプル分子の一部にイオン性の基が露出していた可能性があるってことだと思うの。でも、分子が拡張しているかどうかは、これだけの実験では、単なる想像の域を出ないのよねぇ。
さて、次は図4です。これは、どう考える?
(図4)
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後輩 | これはポリ-N,N-ジメチルアミノメチルスチレンというプラスの電荷を持ったポリマーをいろいろな溶離液で分析した例です。a)の条件では疎水性相互作用による充てん剤への吸着が見られますが、溶離液にクロロホルムを加えて、溶離液の極性を下げると(b)、一定のパターンが得られるようになりました。これは、イオン性のポリマーだから、溶離液に塩を添加するのは分かるけど、c)は、ウーン、解釈が難しい。
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| Shino | c)は、溶離液に中性の塩だけでなく、エチレンジアミンというカウンターイオンを加えることによって、サンプルのアミノ基の解離を押さえて分析している例なの。でも、b)とc)の溶出位置の違いをクリアに説明できないのよね。
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後輩 | サンプル分子のサイズが異なるのか、それともどちらかの系で若干、吸着が効いているのか? はたまた、溶離液のベースとなる有機溶媒が違うことによって、サンプル分子のコンフォメーションが全然違うのかも...それは、分かりません。
こういう説明のつかない結果って、なかなか歯がゆいですね。
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| Shino | そこで、Shodexは考えた。
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後輩 |
いよいよ、MALS(Multi Angle Laser Light Scattering)の登場ですね。 |
| Shino |
多角度光散乱検出器:MALSは、較正曲線を用いることなく分子量を求めることが出来、しかもサンプル分子の大きさ(RMS半径)に関する情報が得られる検出器です。
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後輩 |
HPLC用の検出器として使用することが可能です。 |
| Shino | そして、高分子に成る程、感度が高くなるという特性を持っているため、サンプル中に存在する微量のアグリゲーションの検出に応用されたりします。
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後輩 |
ここからが私のデータです。図5は、ポリ(ビニルピロリドン)を分析した例です。この結果って、図3に似てますねぇ。 溶離液に塩を添加しない場合は、ギザギザのピークになってます。
(図5) |
| Shino |
さて、これにMALSのデータを重ねると? |
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後輩 |
図6を見てください。MALSのデータは、横軸に溶出容量、縦軸に分子量をとっています。塩添加の場合は、3x106以下の分子量を持つ成分からなり、無添加の場合では、3x106より大きな分子量を持つ成分もあることが分かります。つまり、溶離液に塩を添加しないと、サンプル分子にアグリゲートが起こっているというのが、
この結果から分かるんです。
(図6)
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| Shino |
縦軸にRMS半径をとった場合も、興味深い結果よね。(図7)
(図7)
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後輩 | 塩添加の場合は、きれいなサイズ排除を示しています。ちゃんと大きい順に溶出されています。これに対して無添加の場合は、全体的に分子の大きさが大きい。アグリゲートによって大きくなった分もあるでしょうが、サンプル分子が拡張して大きくなっていることもこのデータから一目瞭然ですね。
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| Shino | 吸着は起きてないの?
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後輩 |
このデータだけでは、そこまで分かりません。でも、データを採る度にひとつずつ世界が開けて行く感じで、とっても楽しいです。 11月13日に名古屋で開催される第3回高分子分析討論会では、このPVPのデータを元に、溶離液の最適化に関する考察を加えて発表します。皆様、ぜひ会場でお目にかかりましょう。
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| Shino | 「SEC分析といえばShodex」と言われるよう、頑張らなくちゃ。まだまだする事は、いっぱいあります。極性ポリマー、イオン性ポリマー..たくさんのデータを蓄積してゆきたいと思ってます。
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