| 後輩 | RI検出器のベースが不安定なんですけど、どうしたらいいんですか〜。 |
|---|---|
| Shino | 検出感度はどのくらい? |
| 後輩 | 8×10-5RIU/FSなんですけど、かなりひどいです。 カラムは逆相のRSpak DE-613で、溶離液は80%メタノールなんですけど、ベースラインが安定しないのでカラムは外してみたんです。それでも安定しないんですヨ。 |
| Shino | ずっと、水−メタノールで使ってた装置なの? |
| 後輩 | いいえ、リン酸バッファーで使ってたんです。それで、休暇中に塩が析出しないようにと思って、水で置換しておいたんです。 |
| Shino | (おぬしできるナと思いつつ)RI検出器のセルが汚れちゃったのかなあ。洗浄してみる? 蒸し暑い日が続いたから、藻が生えたのかも知れないし。 |
| 後輩 | え〜! 藻が生えちゃうんですか〜。 |
| Shino | 藻かどうかはわからないけど。長い間使わなかった装置のベースラインが安定しない時って、セルが汚れていることが多いのよね。水よりも、メタノールに置換しておいた方が良かったわね。アセトンで洗浄して、流路を乾燥しておけば、なお良かったわね。 まずは、0.2Mの水酸化ナトリウムを30分ぐらい流して、そのまま一晩置いてみましょう。 |
| 後輩 | 有機溶媒のほうが、早いと思うんだけど……。 |
| Shino | もし、汚れがバクテリアなんかのタンパク質だった場合は、有機溶媒で洗浄しちゃうと、タンパク質が変性して、よけいとれなくなるの。だから、先にアルカリで洗浄するのヨ。 |
| 後輩 | フーン。 |
| Shino | あしたは水でアルカリを洗い流した後、メタノールを2〜3時間流せば、たぶん大丈夫。もし、それでもだめならDMSOを使いましょう。 |
| 後輩 | もっと、奥の手はないんですか〜? |
| Shino | あるけど、お勧めできないわ。 |
| 後輩 | 教えてくださいよ〜 |
| Shino | どうしてもダメな時は、6Nの硝酸をサッと流すのもいいんだけれど、その後よく洗浄しないと装置が錆びるから注意してね。 |
| 後輩 | は〜い。わかりました。やってみます。 (そして、翌日) |
| 後輩 | Shinoセンパイ。ちっとも良くなりませんよ〜 (すっかり安心しきっていたShinoチャン、装置を前にして考え始めた) |
| 先輩 | 静かだと思ったら、こんなところで、ふたりで何しているの? |
| 後輩 | あ! センパイ。水−メタノールを流して2時間経つのに、RI検出器のベースラインが安定しないんです。セルの洗浄もしたし、カラムも外してます。 |
| 先輩 | 溶離液の脱気は? |
| 後輩 | 溶存ガス除去装置のDEGASSERを使ってるし減圧脱気もしました。 |
| Shino | ランプが劣化したとしか、思えないなあ。 |
| 先輩 | おや、カチカチ音がする。何の音かな? |
| 後輩 | 電磁弁の音ですよ。 |
| Shino | 電磁弁? グラジエントしてるの? |
| 後輩 | グラジエントはしてません。Aのタンクに水を入れて、Bにメタノールを入れたんです。ABを混合して80%メタノールを作ってるんです。 |
| 先輩 | (アングリ)これが犯人だよ。 |
| 後輩 | エー、どうしてですか。この方が、条件検討の時にメタノールの比率を変えやすくて便利だと思ったんです。 |
| 先輩 | RI検出器の原理を知っているかな? まず、リファレンスと検出セルに同じ溶液を満たしている時の屈折率の差をゼロとする。次に検出側にサンプルが入ってくると、屈折率が変化して、これを検出する装置なんだよ、RI検出器は。 |
| 後輩 | でも、A液とB液は、混合しているんですよ。 |
| 先輩 | そこが落とし穴だな。A液とB液を交互に送り出してミキシングチャンバーで混合する方式では、充分に均一な組成にはならないよ。RI検出器は、この混合ムラを検出していたんだね。ただし、着眼点は良かったね。UV検出器の場合は、こういったやり方でもベースラインは安定するからね。 ところでShinoチャンは、RI検出器を使ったことなかったっけ? |
| Shino | ……………………………… (消えてしまいたい) |
| 先輩 | 早めに気が付いて良かったね。セルもきれいになったことだし、いいデータがとれるね。 |
| Shino、後輩 | ハーイ、ありがとうございました。 |