GPC測定のポイント ニュースレターNo.15(記事)
GPCを用いたポリマーの分子量分布測定は、ポリマーの機能性が重視されるようになると共に一段と重要な物性指標になってきました。このため、GPCカラムの高性能化は目ざましく、分析時間が短縮されたため、再現性や装置の安定性が測定結果に大きく影響を与えるようになってきました。しかし、これに伴ったシステムの性能改善が遅れており、汎用のHPLCシステムを流用してGPC測定を行っているのが現状です。
では、GPC測定に必要なシステムの属性とは何なのでしょうか。
■〔GPC測定のポイント〕
GPCを用いて正確な分子量分布を測定するための重要なポイントは、次の4つです。
| 重要なポイント |
影響を与える因子 |
| 1) 流量の安定性 |
●ポンプ精度、温度 |
| 2) 示差屈折率検出器(RI)の安定性 |
●室温、溶離液組成の変化 |
| 3) 適切なサンプル濃度及び注入量 |
●サンプル注入 |
| 4) 適正なカラム組み合わせ |
●カラム選択 |
1) 流量の安定性には、ポンプ精度とポンプ内部の温度変化が影響します。溶離液に水を用いるGFCに対して、GPCでは有機溶媒を用いるため、わずかな温度変化が溶媒膨張に影響して、流量の変化をひきおこすことが知られています。
2) RIのベースラインをドリフトさせる因子には、室温変化と溶離液組成の変化が考えられます。屈折率は温度によって変化しますから、RIのリファレンスセルと測定セルのわずかな温度差がベースラインのドリフトとして現れるわけです。これは、水よりも有機溶媒の時に顕著な現象です。また、有機溶媒の溶離液では、吸湿・蒸発・酸化などの組成変化に注意しなければなりません。
3) 同一サンプルでもサンプル濃度が異なるとクロマトのパターンが変化することがあります。実際よりも低分子側にクロマトがシフトする場合は、オーバーロードやサンプルの粘度が高いために起こるviscose
fingering effectが原因だといわれています。高分子側にクロマトがシフトする場合の原因には、サンプル自体の会合やイオン排除が考えられます。イオン排除の場合は溶離液にLiBrなどを添加することで解決できますが、他のケースではサンプル濃度を薄くすることが有効です。
4) もちろん、サンプルにあわせて、最適なカラムならびに溶離液を選択することは言うまでもありません。測定対象となるサンプルの分子量範囲をカバーできるポアサイズ、較正曲線を持つカラムを選択しましょう。また、サンプルが良く溶ける溶離液を選ぶだけでは不充分です。サンプルを良く溶かし、しかもカラムへの吸着やイオン排除を抑制するような溶離液を選択する必要があります。
このようにGPC測定では、カラムの状態だけでなく、測定装置の状態がすべて、RI検出器の出力であるクロマトグラムに現れるのです。
■〔新時代のGPC専用システムSYSTEM-21(現:GPC-101)〕
Shodex SYSTEM-21(現:GPC-101)は、GPC測定に必要なポイントをすべてクリアした新時代のGPC専用システムです。溶存ガス除去装置から検出器までの流路全体の恒温化がノイズやドリフトを抑え、
高感度測定を可能にしました。
従来、RI検出器では4x10
-5RIU/FSでの測定が常識でしたが、
SYSTEM-21では1x10
-5RIU/FSが可能になりました(図-1)。
したがって、サンプル濃度を低く抑えることができるため、分離度、濃度依存性を懸念する必要がありません。また、
溶離液ホルダーにはスターラーを備えて溶離液の均一化を図っていますが、加えて、RI検出器のリファレンスセルへの溶離液の常時通液方式を採用し
、組成変化の影響を排除しました。もちろん、リファレンスセルへの通液/停止は選択可能です。これらの効果とポンプ自体の温調によって、
くり返し測定における溶出時間の再現性精度が5倍に高まりました(図-2)。これには、独自のインジェクション方式も一部寄与しています。
さらに、分析カラム切換えバルブ(オプション)を用意しました。カラム選択バルブを切り換えるだけで、異なるカラム組合せでの測定が可能です
(図-3)。また、自動立ち上げ/停止システムを採用し、分析の効率化も図っております。

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