HFIPによるSEC分析

難溶性のポリマーの測定には、これまで高温SEC法が多く用いられてきました。 しかし、高温SEC法の場合には、かなり高価な専用の装置が必要であり、装置の運転も容易ではありません。  HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)は難溶性のポリマーを常温で溶解できますので、GPC HFIP-800シリーズを用いてHFIPを溶離液としたSEC測定により、 高温SEC装置を用いることなく難溶性のポリマーの測定が可能となります。ただしイオン性基を有するポリマーの場合は注意が必要です。 SECとは溶離液中でのポリマー分子の広がり具合い(三次元空間を占める体積)が大きいものほど早く溶出されるという原理を利用した分析法ですが、 ポリマー分子内のイオン性基同士が反発し合い、分子の広がりが大きくなることがあるからです。このようなイオン性相互作用を抑制するために、 HFIPにトリフルオロ酢酸ナトリウムを添加する必要があります。ポリアミドやPETなどの分析時には、トリフルオロ酢酸ナトリウムを添加したHFIP溶離液を使用することをお勧めします。
(ポリアミド (1) ナイロン6 (HFIP-806M)をご参照ください。)

〔溶離液調整上の注意〕
 トリフルオロ酢酸ナトリウムは溶解度が低いので、完全にHFIPに溶解してから使用することが必要です。溶解が不充分なまま使用するとカラムを損傷することがあります。
 溶離液を調整する場合は、以下の方法によって調整して下さい。
@トリフルオロ酢酸ナトリウムを秤量し、HFIPに添加して超音波をあてながら溶解させます。この時、瓶を時々転倒混和させて、充分超音波があたるように注意する必要があります。
A超音波を当てる時間の目安は以下の通りです。
 10mM CF3COONa in HFIPの場合 : 60分以上
  5mM CF3COONa in HFIPの場合 : 40分以上
B溶離液の調整には透明な瓶をご使用ください。溶解が不充分な場合は光に透かして結晶が浮遊しているのが観察できます。
C測定中は溶離液瓶をマグネチックスターラーの付いたホットプレート上で攪拌しながらご使用下さい。