SRM1476の高温GPC/MALS
高温SECで用いるカラムは通常、粒径10〜20μm程度の充てん剤が充てんされています。 高分子成分を含むポリエチレンをZimm plot法により直接的に測定した重量平均分子量は、有機溶媒系SEC(GPC)と多角度光散乱検出器(MALS)を組み合わせたGPC/MALS測定した値より大きく、高分子成分がカラム中で分子鎖切断を起こすことが指摘されています。 充てん剤の粒径を大きくした高温SEC用カラムGPC
UT-800シリーズの有用性を確認するため、サンプルにポリエチレンスタンダード
SRM1476を用い、充てん剤の粒径および溶離液の流量が与える測定値への影響を調べました。 カラムはGPC
HT-806M(粒径13μm)とGPC
UT-806M(粒径30μm)を同一条件で使用し、比較しました。 図1に測定されたMALS(実線)及びRI検出器(破線)のクロマトグラムを示します。 HT-806MではRMS半径域が100nmまでの高分子成分が溶出されています。 一方、UT-806Mでは500nmまでの高分子成分が溶出されています。
この結果からHT-806Mでは100nm〜500nmの高分子成分が溶出していないことが分かります。 これは充てん剤の粒径が小さい(13μm)場合には、分子鎖切断が起きていると考えられます。 また、このようにRI検出器では検出できなかった高分子成分をMALSを用いて高感度に検出し、分子鎖切断を確認できました(挿入図はフロントピークのRMS半径)。 次に流量の影響を調べるためUT-806M(30μm)を用いて流量を
0.1〜1.0mL/minの範囲で変化させてGPC/MALS分析を行いました。 図2にMALSのクロマトグラムを示します。 フロントピークの面積は 0.1mL/min〜0.5mL/minの範囲では多少の変化はあるもののほぼ同一で1.0mL/minでは明らかに減少しています。 従って1.0mL/minでは
分子鎖切断が起きているものと考えられます。 このように、UT-806Mを使用して0.5mL/min以下の流量で高分子成分を含むポリエチレンを測定することにより、分子鎖切断を防ぐことができることが分かりました。

Sample :
Polyethylene SRM1476, 300μL
Columns : Shodex GPC HT-806M x 2 ,UT-806M x 2 (8.0mmID*300mm each)
Eluent : TCB
Detector : MALS(Multi angle laser light scattering), RI
Column temp. : 140℃