ワイン中のレスベラトロール分析 (C18M 4D)

レスベラトロールはポリフェノールの一種で、主にブドウの果皮やピーナツの薄皮に含まれます。レスベラトロールには抗酸化作用があり、老化防止や糖尿病の予防、血圧改善などの効果が期待されています。ここでは、市販の赤ワインと白ワインを前処理した後、シリカ系逆相クロマトグラフィー用カラム シリカC18 M 4Dを用いてワインに含まれるレスベラトロールの分析を行いました。標準試料を用いて検量線を作成したところ、0.01 ~ 10 mg/Lの濃度範囲における決定係数(R2)は1.0000と直線性の高い検量線が得られました。
本分析では、赤ワインからはレスベラトロールのピークが検出されましたが、白ワインではわずかなピークしか確認できませんでした。一般的に赤ワインは皮や種と一緒に果汁を絞り出すためレスベラトロールが多く含有しますが、白ワインはブドウの皮や種を除いてから果汁を絞り出すためレスベラトロールの含有量が少ないためと考えられます。

前処理方法

  1. (1)市販のワイン50 mLに水を30 mL加えた後、1M NaOH水溶液でpH7.0に調整する。
  2. (2)水を加えて100 mLに定容する。
  3. (3)オクタデシル基結合のポリマー系逆相固相カートリッジをコンディショニングする。
    (メタノール10 mLを通液した後、30 mM リン酸ナトリウムバッファー (pH7.0) 50 mLを通液)
  4. (4)(3)の固相カートリッジに(2)のワイン試料(赤ワイン試料は10 mL、白ワイン試料は50 mL)を添加する。
  5. (5)固相カートリッジに窒素ガスを吹き付け乾燥させる。
  6. (6)固相カートリッジに酢酸エチル5 mLを通液し、全量を採取する。
  7. (7)溶出液に窒素ガスを吹き付け乾固させる。
  8. (8)少量の溶離液で溶解し、赤ワイン試料は5 mL、白ワイン試料は1 mLに定容する。
  9. (9)0.45 μm のメンブランフィルターでろ過し、HPLC試料とする。

Sample: 5 μL
(Pretreated sample solution)
Red waine, White wine
(Standard solution) 1 mg/mL Resveratrol in eluent

  1. 1.Resveratrol
chromatogram of Resveratrol
calibration of Resveratrol
Column
Shodex シリカ C18M 4D (4.6 mm I.D. x 150 mm)
Eluent
(A); 10 mM H3PO4 aq./CH3CN=80/20
(B); 10 mM H3PO4 aq./CH3CN=50/50
Linear gradient; (B %) 0 % (0 to 14 min), 0 % to 100 % (14 to 14.01 min), 100 % (14.01 to 20 min), 0 % (20.01 to 40 min)
Flow rate
1.0 mL/min
Detector
UV (303 nm)
Column temp.
40 ℃

試料名インデックス

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