Shinoセンパ~イ!土壌溶出液の分析って疲れちゃう。
チウラム、シマジン、チオベンカルブの測定だっけ?問題は何?
固相抽出カートリッジが目詰まりするんです。だからずーっと見張ってるんです。
PS@Liqを使ってみたら、違いがあるかも。。。
ほんとですかぁ?
開発者のデータがあるでしょ K県T川の水をろ過せずに流して、PS@Liqは目詰まりしなかったっていうんだから、試してみたら?
後輩ははりきって水を汲みに出かけましたが。。。
Shinoセンパ~イ、ろ過せずに河の水を1L流しても、スイスイ流れました。圧損もカタログ通り、低かったし。
早く流してもキチンと捕集できるのか、確認してみましょう。
はーい、わかりました。
さて、その翌日
50mL/minという高流速で通液しても圧が上がらないし、チウラム、シマジン、チオベンカルブもちゃんと捕集できてる。何が違うのかしら。。。
カートリッジには、軽石のように小さな孔がたくさん開いている多孔性(ポーラスな)充填材を採用してるのよね。多孔性にして、表面積を稼いでいるって教科書に書いてあったと思うけど。
ふーん、表面積を大きくして捕集してるんだ。
孔の径を小さくして、たくさんの孔を開けてもいいような気がするけど。。。
充填材をたくさん使えば、充填材の量に比例して表面積は増えるけど、カートリッジも大きくなってしまいますよねぇ。そうだ!充填材を小さくすればいいと思いません?
でも、小さな充填材がびっしり詰っていたら、圧損が高くなって、通液性が。。。
PS@Liqシリーズは他のカートリッジよりも圧力損失がとても低いですね。大きな充填材を使っているのかしら?
PS@Liqシリーズの平均粒子径は80ミクロンだから、他社のカートリッジと変わらないわ。まるでPS@Liqシリーズにはスカスカの充填材が入っているみたいじゃない。こんなの有り?
「有り」です。
え? あなた、誰?
開発者です。PS@Liqシリーズの細孔分布は、充填材の内部に液が流れ易くするための大きな孔と、捕集のための小さな孔のバランスを最適化してます。だから、早く流しても圧力損失が上がらず、しかも、ちゃんと捕集できるんです。
開発者さんは、2重細孔の概念をヒントに細孔分布を最適化したんだっけ?
一般に充填材の細孔内部まで液を流すには大きな圧力が必要だと言われています。だから最初は、充填材に孔が無くてもよいのでは?と考えました。つまり、充填材が80ミクロンだとしたら、充填材と充填材の間の隙間は、20ミクロンもあるわけです。サンプル液は充填材と充填材の外側だけを流れているのでは?と思ったんです。
わかるわ、その気持ち。
そこで。同じ粒子径のノンポーラス(孔の開いていない)PS充填材を作って比べてみたんです。
ノンポーラスだと 捕集できなかったのね?
そうです。ノンポーラスの場合、破か(ブレークスルー)が起りました。だから、充填材の細孔は有効なんだと気づいたんです。
それで、細孔分布を最適化したんだ。。。
充填材だけでなく、総合化学会社のメリットを活かし、部材の原材料を厳選してます。だから、原材料からの溶出物がとても少ないんですよ。
わかりました。実サンプルでも試してみます。
その翌週
Shinoセンパ~イ!まずは河川水で試してみました。
- 検水
- :河川水 600mL
EDTA添加
pH 3.5 - 添加濃度(終濃度)
- :チウラム 0.002mg/L
シマジン 0.0005mg/L
チオベンカルブ 0.0005mg/L
50mL/minで流しても回収率はOKね。目詰まりの方はどうだった?
ろ過しないで流しても目詰まりもしませんでした。
土壌溶出液でも、目詰まりしないといいわね。
ふーん、検水が25℃以下なら回収率には問題ないわけ?
今回の添加濃度では、25℃以下ならPS@LiqとPS@Liq HQの違いはありませんでした。ただし、検水のチウラム濃度がもっと低い場合は違いがでるかもしれません。
皆さま、「Shinoチャンの分析SOS」として復活しました。研究室の様子をレポートしますので、今後もどうぞ よろしくお願いいたします。