グリホサートとグルホシネートのLC/MS/MS分析 (VT-50 2D)

グリホサートなどの含リンアミノ酸系農薬は、ほとんどの雑草に有効な非選択性除草剤として世界中で広く使われています。人体への有害性が懸念されるため各国で規制されており、環境や食品中の濃度をモニターする必要があります。これらの農薬や代謝物は親水性が高いためHPLCによる分析が適していますが、逆相モードでは保持が難しく、前処理で誘導体化したり、溶離液にイオンペア剤を添加するなどの工夫が必要となります。ここではポリマー系ヒリックモード用カラムHILICpak VT-50 2Dを用いてアルカリ性条件によりグリホサート、グルホシネート及びそれらの代謝物と、グリホサートに構造が類似している植物成長調整剤であるエテホンのLC/MS/MS一斉分析を行ったところ、1ng/mLオーダーの検出が可能であることが確認されました。本条件は、誘導体化やイオンペア剤の使用など煩雑な作業なしに簡便に高感度分析が可能です。
ここで用いた溶離液のpHは約9であるため装置にはアルカリ耐性が必要になりますが、酸性条件に比べてグリホサートはピークのテーリングが改善します。なお、これらの含リン農薬は金属配位性が高いため、インジェクタ以降の流路は可能な限りPEEK材質を用いています。


Sample : 50 μL
1 ng/mL each


Column       : Shodex HILICpak VT-50 2D (2.0 mm I.D. x 150 mm)
Eluent       : 50 mM NH4HCO3 aq./CH3CN=50/50
Flow rate    : 0.3 mL/min
Detector     : ESI-MS/MS (MRM)
Column temp. : 40 ℃

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