陽イオン分析用カラム IC YK-421を用いて1価、2価陽イオンの同時分析を行いました。
(リン酸溶離液の利点)
IC YK-421の標準溶離液は酒石酸/酸系を主に用いていますが溶離液の保存性が悪く試薬の溶解度が低いため濃縮液の調製はできません。一方、リン酸系溶離液はほぼ同等な分離を得ることができ1週間程度の保存が可能です。また濃縮液 (1 mol/L)は長期保存 (半年)も可能です。
異なる点は、
① 酒石酸/ジピコリン酸系では、Ca2+イオンの後にMg2+イオンが溶出しますがリン酸系ではMg2+イオン、Ca2+イオンの順番に溶出します。
② 遷移金属イオンは酒石酸/ジピコリン酸系ではほとんど (Mn2+除く)Voの位置に出ますがリン酸系ではMg2+とCa2+の間に集中します。そのため遷移金属イオンを多量に含む試料にはリン酸系溶離液は向かないと思われます。
③リン酸溶離液では酒石酸/ジピコリン酸系溶離液と比較してバックグランドが高くなります。
比較データ:YK-421 (酒石酸/ジピコリン酸系)
Sample : 20 μL
1. Li+ 2 mg/L
2. Na+ 10 mg/L
3. NH4+ 10 mg/L
4. K+ 20 mg/L
5. Mg2+ 10 mg/L
6. Ca2+ 20 mg/L
Column : Shodex IC YK-421 (4.6 mm I.D. x 125 mm) Eluent : 4 mM H3PO4 aq. Flow rate : 1.0 mL/min Detector : Non-suppressed conductivity Column temp. : 40 ℃
試料名インデックス
製品名インデックス
アプリケーションデータ
- 1価、2価陽イオン (1) (YK-421)
- 1価、2価陽イオン (2) (YK-421)
- 1価、2価陽イオン (3) (ジピコリン酸溶離液 + クラウンエーテル) (YK-421)
- 1価、2価陽イオン (5) (YK-421) (リン酸溶離液 + クラウンエーテル)
- 1価、2価陽イオン (6) (YS-50とYK-421の比較)
- 1価、2価陽イオン (7) (アセトニトリルの添加) (YS-50)
- 1価、2価陽イオン (8) (エチレンジアミン添加試料) (YS-50)
- カラムのダイナミックレンジ (YK-421)
- 陽イオンの高感度検出 (YK-421)
- アセトニトリル濃度と陽イオンの保持時間 (YK-421)
- IC YS-50における溶離液濃度の影響
- IC YS-50における流量依存性
- IC YS-50における温度依存性
- IC YS-50における試料負荷量の影響
- 陽イオン分析の定量性 (YS-50)
- クラウンエーテルの添加効果 (YS-50)
- 水道水 (1) (YK-421)
- 水道水の分析 (2) (YK-421) (リン酸溶離液の場合)
- 水道水中の1価、2価陽イオン分析 (エチレンジアミン添加試料) (YS-50)
- 河川水中の1価、2価陽イオン分析 (エチレンジアミン添加試料) (YS-50)
- ミネラルウォーター (YS-50)
- 海水 (2) (YS-50)
- 赤ワイン (1) (YK-421)
- 赤ワイン (3) (YS-50)
- 血清 (YK-421)
- 長鎖アルキルアミンの分離 (YK-421)
- トリアルキルアミン (YK-421)
- テトラアルキルアンモニウムイオン (YK-421)
- テトラアルキルアンモニウムイオンの分析 (YS-50)
- アルキルアミン (2) (YK-421) (リン酸 + アセトニトリル溶離液)
- エタノールアミンとアルキルアミン (YK-421) (リン酸 + アセトニトリル溶離液)
- エタノールアミンとアルキルアミンの分析 (YS-50)
- 陽イオンとアルキルアミン (YS-50)
- メチルアミン類の分析 (YS-50)
- エチルアミン類の分析 (YS-50)
- 低級アミンの分析 (YS-50)
- PEG中の陽イオン分析 (YS-50)
- アルブミン中の陽イオン分析 (YS-50)
- USP-NFに準拠したセフェピム注射液中のN-メチルピロリジン分析 (YK-421)