近年、バイオマスから糖化、発酵の過程を経て生産させるバイオエタノールの研究が盛んに行われています。バイオマスの過分解により生成される有機酸は、微生物に対して強力な生育阻害作用を示すことが知られており、生成される有機酸の濃度管理は重要です。また、バイオエタノールの生産性を向上させるためには、バイオマスの発酵過程中もエタノールへの変換が適切に進行しているかを確認する必要があります。このような生産工程中での有機酸やエタノール濃度のモニタリングでは短時間での分析が求められます。ここでは、迅速分析用カラムSUGAR SH1011 8Cを用いてエタノールを含む7成分を測定しました。溶離液に硫酸水溶液を用い、常用流量の1.0 mL/min、65 ℃の温度条件下で1試料当たりの分析時間は6分以内でした。また、カラム長さが同じで、迅速分析用と謳っている他社イオン排除クロマトグラフィ用カラムと線速度を合わせて比較した結果、SH1011 8Cではエタノールの理論段数が約2倍と他社カラムよりも高性能であることが確認できました。
Sample : 0.1 % each, 5 µL
1. Maltotriose
2. Maltose
3. Glucose
4. Lactic acid
5. Glycerol
6. Acetic acid
7. Ethanol
Columns : (1) Shodex SUGAR SH1011 8C (8.0 mm I.D. x 100 mm) (2) Ion exclusion column from other manufacturer (7.8 mm I.D. x 100 mm) Eluent : 1 mM H2SO4 aq. Flow rate : (1) 1.0 mL/min
(2) 0.95 mL/min Detector : RI Column temp. : 65 ℃