イミダゾールジペプチドは、鳥の胸肉及びマグロやカツオ、鯨等の肉に多く含有しており、強い抗酸化作用を示し、老化防止(アンチエイジング)や疲労軽減に効果があるとされており、機能性成分として注目されています。ここでは、最初に陽イオン分析用カラムIC YS-50を用いて代表的なイミダゾールジペプチドであるL-カルノシンとL-アンセリンの標準試料液を分析し、1 ~ 100 mg/Lの濃度範囲においてそれぞれ直線性の高い検量線が得られることを確認しました。次に同条件にてイミダゾールジペプチドが添加された加工肉製品中のL-カルノシンとL-アンセリンの分析を行いました。イミダゾールジペプチドは、ポリマー系アミノカラム(Asahipak NH2P-50 4E)を用いても分析可能ですが、除タンパクに使用したサリチル酸が試料液中に存在すると官能基であるアミノ基に強く保持するため、サリチル酸の溶出に60分以上掛かります。一方、官能基がカルボキシル基のYS-50ではサリチル酸はイオン排除の働きで最初に溶出するため、20分以内で分析することが可能です。本条件を用いてイミダゾールジペプチドの定量を行ったところ、製品のラベルに記載された含有量と比較して100%に近い結果が得られました。
参考:イミダゾールジペプチドの分析 (NH2P-50 4E)
- 1.市販のイミダゾールジペプチド添加加工肉を2 g量り取る。
- 2.5 %サリチル酸を5 mL加えてホモジナイズする。
- 3.イオン交換水を95 mL添加し、30分間静置する。
- 4.上清を0.45 µmのメンブランフィルターでろ過し、試料溶液とする。
Sample: 2 μL
Pretreated sample
Standard solution (20 µg/mL each)
- 1.L-Carnosine
- 2. L-Anserine
- Column
- :Shodex IC YS-50 (4.6 mm I.D. x 125 mm)
- Eluent
- :5 mM Methanesulfonic acid aq.
- Flow rate
- :1.0 mL/min
- Detector
- :UV (220 nm)
- Column temp.
- :40 ℃