エクソソーム(EV)分析の一例として、細胞培養上清からのEV調製過程を、ポリマー系水系SEC(GFC)用カラムOHpak SB-806 HQと種々の検出器の組み合わせにより追跡しました。 UV 280 nmは培養由来不純物全般、蛍光Ex 280 nm / Em 348 nmは主にタンパク質(Trp残基を指標とする)、またMALS散乱光(LS)は特にナノ粒子クラスの大型の対象に高感度なレスポンスを与えます。またMALSからは対象のRMS(慣性回転半径)の推定値が得られます。 EVを主成分とする画分は、多くの培養由来不純物成分と分離し、8分付近に見られました。UVや蛍光は、精製過程の進捗・効果の把握や精製物のプロファイリングに重要な知見を与える一方、大部分が脂質膜で構成され、微量のタンパク質・核酸カーゴを内包するEVに対しては感度が低く、特に精製初期においてはLSが有効なEV追跡手段となることがわかります。 SB-806 HQは、EVクラスのナノスケールの対象を保持・分離させるのに十分なポアサイズを有する、バイオプロダクトに好適な高性能水系SEC(GFC)用カラムです。多様な検出器との組み合わせにより、複雑になりがちなバイオナノターゲットの調製過程の包括的な解析に威力を発揮します。
EV画分調製条件
(1) 濃縮工程: 市販遠心限外ろ過膜 100 kDa (40倍濃縮)
(2) アフィニティ工程: 市販アフィニティ精製キット (10倍濃縮相当)
試料調製協力, 昭和電工マテリアルズ株式会社
Sample :
1. Cell culture supernatant 50 μL inj.
2. Concentrate 50 μL inj.
3. Crude product 15 μL inj.
Column : Shodex OHpak SB-806 HQ (8.0 mm I.D. x 300 mm) Eluent : PBS (-) Flow rate : 1.0 mL/min Detector : UV (280 nm) Fluorescence (Ex.280 nm, Em.348 nm) MALS (DAWN8+ produced by Wyatt Technology Corp.) Column temp. : 25 ℃
試料名インデックス
製品名インデックス
アプリケーションデータ
- 理論段数のサンプル負荷量依存性 (KW-803)
- 理論段数の流量依存性 (KW-802.5, KW-803)
- タンパク質標準サンプル (1) (KW-802.5)
- タンパク質標準サンプル (2) (KW-802.5, KW-803)
- タンパク質標準サンプル (14) (KW-802.5)
- タンパク質標準サンプル (15) (KW-803)
- タンパク質標準サンプル (16) (KW-804)
- タンパク質標準サンプル (18) (KW-803)
- タンパク質標準サンプル (19) (KW-804)
- タンパク質標準サンプル (23) (GF-510 HQ)
- タンパク質標準サンプル (24) (KW402.5-4F)
- タンパク質標準サンプル (25) (KW403-4F)
- タンパク質標準サンプル (26) (KW404-4F)
- タンパク質標準サンプル (27) (KW405-4F)
- タンパク質の回収率 (GF-310 HQ, GS-320 HQ)
- タンパク質の回収率 (KW-802.5, KW-803)
- タンパク質の回収率の比較 (KW-803)
- ヒト血清中のタンパク質 (3) (KW-803)
- BSAのダイマー、トリマー
- 粗アルブミン (卵黄) (1) (KW-803)
- 粗リポキシダーゼ
- 粗カタラーゼ
- 粗ヘキソキナーゼ
- ヒト血清 (1) (SB-802 HQ)
- ヒトIgGのトリプシン消化物
- 各種カラムによるタンパク質のクロマトグラム比較
- タンパク質の分子量測定 (KW-803)
- タンパク質/アグリゲーション (凝集体)の検出 (KW-803, KW-804)
- KW402.5-4FとKW-802.5の比較
- タンパク質の回収率 (KW402.5-4F, KW403-4F)
- ヒトコントロール血清
- ヨーグルト中の乳清分析 (KW403-4F + KW402.5-4F)
- 各種レクチンタンパク質
- ペプチド分析 (SEC)
- PEG化キモトリプシン (KW-802.5)
- PEG化アスパラギナーゼのSEC分析 (SB-806 HQ)
- ヒトIgM (2)
- ポリリジン
- アビジン (2)
- α1 酸性グリコプロテイン
- ゼラチン分析 (SB-806M HQ)
- 日本薬局方に準拠したインスリン グラルギンの分析 (KW-802.5)
- 日本薬局方に準拠したヒトインスリンの分析 (KW-802.5)
- 薬局方に準拠したインスリン アスパルト中の高分子不純物の分析 (KW-802.5)
- USP-NF GENERAL CHAPTERS「インスリンの物理化学分析手順」の高分子タンパク質分析 (KW-802.5)
- 標準タンパク質のSEC分離比較
- ポリクローナル抗体のSEC分離比較
- モノクローナル抗体のSEC分離比較
- BSAのオリゴマー分離比較 (LW-803, KW-803)
- パパイン消化によるヒト化モノクローナルIgG分解過程のモニタリング (LW-803)
- 血清中リポタンパク質の分析 (KW-804)
- LW-403 4DとLW-803の標準タンパク質分離比較
- 試料注入回数による耐久性テスト (LW-403 4D)
- USP-NFに準拠したエポエチンの分析 (LW-803)
- 汎用装置とセミミクロ装置でのタンパク質の分離比較 (LW-403 4D)
- 汎用装置とセミミクロ装置でのIgGの分離比較 (LW-403 4D)
- B型肝炎ウイルス様粒子(HBsAg VLP)の粒子サイズ分布測定 (KW405-4F)
- ヘモシアニンの分析 (KW405-4F)
- EPに準拠したソマトロピンの分析 (LW-803)
- リツキシマブのSEC分析 (LW-803)
- ノロウイルスVLPのSEC/MALS (SB-805 HQ)
- チモシンα1の分析 (KW-802.5)
- サプリメント中のプロテオグリカン分析 (SB-806M HQ)
- USP-NF GENERAL CHAPTERS <209> に準拠した低分子量ヘパリンの分子量測定 (KW-803 + KW-802.5)